こんにちは!A-biz 塚本です。今回のお話は中華圏の観光スタイル「親子旅」です。
経済力の向上や価格低下により海外旅行が若年化する中で人気が出た、女性だけで旅する観光スタイル「女子旅」。治安の良い日本に優位性の高い観光スタイルとして、ご存じの方も多いはず。この切り口のプロモーションもよく目にします。今回の本題は、いち早く支持されたのはこの「女子旅」を追いかけるように登場した、親子で旅する「親子旅」という観光スタイルです。
この「親子旅」ですが、当社の分析だと、いくつか段階を経て中華圏へと展開されていると思われます。
第1段階:香港
「親子旅」が成長した娘さんとお母さんが一緒に旅行する、変則的な「女子旅」として香港で登場。地味に人気に。
第2段階:台湾
これが台湾に伝播、もともと香港の訪日旅行者層の年代が香港より少し若い台湾ですが、この「親子旅」も同様、香港に比べ下の年代でブームとなり、小学生前後の子供と若い両親の核家族で旅行するスタイルとして拡大。すでに台湾大手の旅行代理店「獅子旅行社」では「親子旅」のコーナーが設けられ、有力な観光雑誌では夏季休暇前になると例年「親子旅」の特集が組まれるなど、すっかり定番化。
そして最近の傾向として、
第3段階:中国
これがさらに中国へ波及し、観光トレンド化。ツアーが小団体旅行に変化する傾向が強まっている中国ですが、そこに「親子旅」の要素がミックスされ、親族数名で旅行する「大親子旅(?)」としても利用されるように。OTAでも親子旅をテーマとした旅行商品も販売。FITでも「親子旅」がちらほら。
第4段階:再びの香港
さらに「親子旅」発祥の地?である香港でも変化が。もともとは年齢的に落ち着いた親御さんが少し大きくなった子供を連れて旅するスタイルでしたが、社会に巣立った子供が親御さんを連れて旅行に行く、という「子親旅」へとさらにバージョンアップ。そうです、親孝行です。
第5段階:そして日本へ
長期休暇が取れた在日華人の方々が、本国から親御さんを呼び寄せて日本国内の観光をするという、「在日華人 呼び寄せ派」による、「親子旅」が日本国内の観光市場にて、展開。
※「在日華人 呼び寄せ派」に関しては、詳しくは本ブログバックナンバー「2018年春節対策と、在日華人の3派閥」をご参照ください。
中華圏に広く展開されてきているこの「親子旅」、インバウンドプロモーションで活用しない手はありません。お持ちの観光資源や施設をもう一度、各市場の年齢層にあわせた親子目線で捉えなおしてみるのもお勧め。普段見慣れたサービスでも、切り口を変えれば強力なコンテンツになるかもしれません!
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